尻海邑絵図
資料名 尻海邑絵図 しりみむらえず
所蔵 瀬戸内市
作者 伊能勘解由門人 龍雲
制作年 文化12年(1815) 江戸時代・19世紀
品質形状 紙本着色
法量 縦219.5㎝ 横326.0㎝

解説

「伊能勘解由(伊能忠敬)門人」を名乗る「龍雲」という人物が、文化12年(1815)11月に作製した手描きの地形図である。尻海村の全域が細かく描かれており、測量した数値も記録されている。村役人の署名があることから、村の依頼で作製されたものと考えられる。精度の高さ、表現の細かさにおいて、江戸時代のものとしては類例の少ない優れた絵図とされる。
尻海村は、現在の瀬戸内市邑久町尻海にあたる。江戸時代には錦海湾に面し、廻船業で栄えた地域である。絵図の街並み部分には、主だった家・人物の名が表示されている。
龍雲という人物については、詳細不明だが、文政元年(1818)作製の「沖新田東西之図」(岡山市立中央図書館蔵)との間に多くの共通点が見られることから、「沖新田東西之図」を作製した「鹿之介」と同一人物ではないかと考えられている。

【主要参考文献】

  • 臼井洋輔「尻海邑絵図」邑久町史編纂委員会編『邑久町史文化財編』2004年 邑久町
  • 「『尻海村絵図』と『沖新田図』(瀬戸内発見伝 巻の二十)」『広報せとうち』№21 2006年 瀬戸内市

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