2024年12月7日、佐藤 寛介氏(独立行政法人国立文化財機構 東京国立博物館 学芸企画部企画課特別展室 室長)を講師に迎え、ゆめトピア長船を会場として歴史講演会を開催しました。
「宝物になった備前刀-奉納刀剣、名物刀剣、注文打-」と題し、備前刀の中でも神に捧げられた「奉納刀剣」、造形や伝来に由来する名前をもつ「名物刀剣」、武将からの特別な依頼でつくられた「注文打」から日本刀の魅力を紹介したこの講演を、市民ら150人が聴講しました。講演は写真をまじえながら実際の刀剣を1例ずつ取り上げてその意義や意味を読み解く内容で、わかりやすく詳しい解説によって参加者は備前刀の知識と理解を深めることができました。
また、講演会では、国宝「太刀 銘 備前国包平作(名物 大包平)」の門外不出の刀箱についてや国宝「太刀 無銘一文字(山鳥毛)」をめぐる秘話など、佐藤氏にしか語りえない貴重なエピソードを聞くことができました。これまで数多くの刀剣と向き合ってきた佐藤氏から、瀬戸内市が所蔵する山鳥毛の魅力や日本刀の王者たる備前刀の素晴らしさが語られたことで、参加した市民からは地域の歴史と文化を誇らしく感じたという声がありました。